Mizuoの日記

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ヤンキー×ファンタジーを描き切った快作「HiGH&LOW THE MOVIE」感想

もう夏も過ぎて秋が深まってきましたが、この夏、日本をアツく盛り上げた映画と言えばなんでしょう?

 

 

 

 

 

 

そうです!!

「HiGH&LOW THE MOVIE」ですね!!

 

興行収入20億円を突破したらしいですよ。素晴らしいですね!!!

 

 

え?

シン・ゴジラ?(興収70億円越え)

君の名は。?(興収100億円越え)

知りません。

 

「HiGH&LOW THE MOVIE」は普通の映画の枠で語られるようなコンテンツではないので同列で語ること自体無意味なのです。

 

「HiGH&LOW THE MOVIE」の出演者はEXILEファミリーが大半を占めているので、マイルドヤンキー層以外からの受けはすこぶる悪そうです。

私自身も、EXILEファミリーはそんなに好きではありません。

3代目は好きですが、特にNAOTOさんのファンなので、NAOTOさんが出ていない本作は別に見なくていいかーとスルーしようとしてました。

 

・・・が、結果「HiGH&LOW THE MOVIE」の序章となるテレビドラマ「HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.」をシーズン2まで全て観終え、その勢いのまま映画を観に行ってしまったのでした。

ここまで時間を費やすことになるとは思わなかった・・・

 

今回はEXILEファンでもない私が感じたHiGH&LOWシリーズの魅力を、映画の感想を中心に書いてみようと思います。

 

あらすじ

ではまず、「HiGH&LOW THE MOVIE」を知らない人向けに簡単にあらすじを説明します。

 

【「HiGH&LOW THE MOVIE」あらすじ】

・複数のヤンキーグループ(一部ガチやくざ含む)が2つに分かれて喧嘩する

 

以上です。

 


『HiGH&LOW THE MOVIE』本予告

 

こちらの予告編を見ていただければなんとなく「ああ、ヤンキーグループが2つに分かれて喧嘩するんだなあ」ということがわかると思います。

 

もうちょっと詳しく言うとS.W.O.R.D.地区を牛耳る5つのヤンキーグループ(山王連合会・鬼邪高校・ White Rascals・RUDE BOYS・達磨一家)+何となく介入してきた雨宮兄弟の連合と、S.W.O.R.D.地区の再開発を目論むやくざ(九龍グループ)とその手下的なヤンキーども(MIGHY WARRIORS・DOUBT)が戦うという構図です。

大まかに、前者が良いヤンキー、後者が悪いヤンキーという感じで描かれてます。

 

「HiGH&LOW THE MOVIE」の前段を描いているドラマ 「HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.」では、 S.W.O.R.D.地区の5つのヤンキー同士が争うさまが描かれ、映画版では S.W.O.R.D.地区のヤンキーが一丸になって、街に攻め込んでくる敵と戦うという非常に王道な構造となっています。

 

「HiGH&LOW THE MOVIE」にストーリー性はほぼありません。

ストーリーを突き詰めて考えていくとその破綻加減に我慢ならなくなり、ただただストレスが溜まっていくだけです。

しかし、この作品をファンタジーと捉えることで、一気にストレスから解放されます。現実世界と照らし合わせて追及するからダメなのです。

 

「HiGH&LOW THE MOVIE」をファンタジーとして捉えるために、特に追及してはいけない部分が3つあります。

 

 

HiGH&LOWを閲覧するにあたり追及してはいけない事柄

 ①働いてない奴が多いのにお金の不安が一切ない

映画にしろドラマにしろ、観始めて15分ぐらいで、物心ついてる人ならほぼ全員が

「こいつらは一体どうやって生計を立てているんだ?」

と疑問を持つはずです。

皆さんかなり良いバイクを乗り回してるのでなおさらその念は強まっていくでしょう。

 

一部実家の手伝いをしている人たちもいます。例えば、メインのヤンキーグループである山王連合会のヤマト(鈴木伸之)・ダン山下健二郎)・テッツ(佐藤寛太)はそれぞれ自分の実家の手伝いをしている描写が出てきます。

でも、彼らの主軸は「喧嘩」なので、喧嘩が起こっていることを知れば即座に駆けつけます。実家手伝いだから、自由度は高いのでしょう!

 

そうやってメンバーが一応働いている中、山王連合会の頭であるコブラ(岩田剛典)は全く、全く働いておりません。

学校に通っている様子もありません。の割にバイクは超立派です。

実家の描写がほとんど出てこないので実は超お金持ちなのかもしれないですね。

 

もちろんコブラだけでなく、コブラがかつて所属していた最強のヤンキーグループ「MUGEN」のメンバー、RUDE BOYS、達磨一家などなど、どのようにお金を稼いでいるのか全くわからない輩がわらわら出てきます。

 

「喧嘩に明け暮れるのは全然良いけど、将来どうするの・・・?琥珀さんなんか30超えてそうだけどいつまでそんなこと続けるの・・・?」

「ヤンキーの上がりはやくざかと思うんだけど、やくざグループとは対立しまくってるからその道はないんよね?ど、どうするの・・・?」

 

普通の人であればそんな疑問を持ってしまうでしょうが・・・いいえ。そんなことは心配しなくていいのです。なぜならこのお話はファンタジーだからです。

 

②法律違反しまくりというか、法律が機能していない

「HiGH&LOW THE MOVIE」のしょっぱなから、ヤンキーグループの1つであるRUDE BOYSが統率(?)している地区が敵に襲撃され、死者が数名出てしまいます。

 

「こりゃヤンキー同士の争いの枠超えすぎだろ…警察が出てきてもっとややこしくなるんだろうな」と誰もが思った直後、ものすごくきな臭い警官が一人出てきて、

「お前らヤンキーどものくだらないものを守るために警察が動くはずねーだろ!」と言い捨てます。

 

・・・え、いやいやいや、死人出てるんですけど!!ヤンキーとか関係なくとにかく市民を守れよ!!!

 

そういえば、そもそもRUDE BOYSは勝手に自分たちで「無名街」という自治区を作り、法律並みに拘束力強そうなルールを敷いて治外法権的な地域を作ってしまっています。

警察はその辺どう思ってたんでしょうか。治外法権な地域作られて無視して良いんでしょうか。

RUDE BOYSだけでなく、他のチームも、突然店を襲撃して破壊の限りを尽くすなど法律に抵触することはやりまくってます。

それでも警察は動きません。わお

 

大丈夫かこの街・・・人が流出して過疎化が進みそう・・・などと心配する必要はありません。なぜならこのお話はファンタジーだからです。

舞台は日本のどこかの地方都市の様に描かれていますが、日本ではないどこかのお話と認識したほうが良さそうですね!

 

 ③マイルドヤンキー的な思想が至高であるという価値観の是非

まあヤンキー映画だから当然ちゃ当然なんですが、それにしても、あまりにもマイルドヤンキー思考が強すぎる気がします。

 

マイルドヤンキーの構成要素って色々とありますが、「HiGH&LOW THE MOVIE」のマイルドヤンキー要素は以下の2点に集約されます。

・地元最高!

・知的な奴らは敵!悪!

 

S.W.O.R.D.地区に巣食っているヤンキーどもは自分の町(というかテリトリー)に対する帰属意識が半端なく強いです。

特に山王連合会の皆さんからは、自分が生まれ育った街を残したい、守り続けたいという思いがひしひしと伝わってきます。

(の割に収益的な部分では全然貢献しようとしませんが)

 

でもそれって見方を変えれば変化を拒んでいるとも捉えられますよね。

なんでもそうだと思いますが現状維持=衰退ですから・・・

 

 あと反知性主義な面も垣間見えます。

(マイルドヤンキー=反知性主義かというと必ずしもそうではないと思いますが、一旦そういうの抜きでお願いします)

 

ドラマ版で、コブラの親友であるノボルが大学に進学し、そこで彼女ができるのですが、彼女はサークルの飲み会で暴行され、自殺を図ってしまいます。

 

大学に関するエピソードってほんのちょびっとしか出てこないんですが、そのほんのちょびっとの間で「大学に入って間もなくサークルで暴行にあう」様子が描かれます。

 

(どう考えてもヤンキーとかやくざのほうがえぐいことやってるだろうに・・・)

という思いが拭えません。

基本登場人物全員教養がないのですが、唯一韓国語や北京語に堪能なのもやくざの幹部だし・・・・

 

ちなみに、良いヤンキー側で唯一知的なキャラであるノボルがPCをいじるシーンがあるんですが、その際の操作・・・

 

「パチ・・・パチ・・・パチ・・・・」

 

タイピングが・・・遅い・・・!!!

 

遅いだけじゃなくて打鍵の音が重かった(Macなのに)

多分PC操作慣れてないんだろうなって感じがしました・・・

いや、そんなこと別に全然良いんですけどね。なんせファンタジーですから。

 

 とまあ、こんな感じでマイルドヤンキー的な思想が隅々にまで行き渡っています。

マイルドヤンキー的な思想が正義なのかどうか。反知性主義で現状維持を望むということは、それは破滅への道を歩むことにはならないのか。

そんなこと追及してもしょうがありません。なぜならファンタジーだから。

多分おとぎの 国の話だから、破滅とかないんじゃないんですか。

 

 

以上3点については、絶対深追いしないようにしましょう。

するだけ無駄です。

 

「じゃあ何を目的に見ればいいんだよ!」というところなんですが、

・各ヤンキーグループのキャラクター性

・ヤンキーグループのキャラに合った圧巻のアクションシーン

の2つに焦点を当てましょう。

この2つに注目すると、素晴らしい魅力を放っていることに気づくと思います。

 

 

ストーリー性はないがキャラクター性は抜群。アクションも◎

「HiGH&LOW」シリーズにストーリー性はありませんが、キャラはめちゃくちゃ立っています。

ちびまる子ちゃんみたいな感覚で捉えてもらえるとわかりやすいかなと思います。

 

各ヤンキーグループの頭になる人物のキャラクターは割としっかり描かれています。

S.W.O.R.D.地区を牛耳る5つのヤンキーグループはどれも好きになっちゃいましたね。

 

岩田剛典、黒木啓司、ELLYなどのEXILEファミリーだけでなく、窪田正孝山田裕貴林遣都といった今が旬で演技もアクションもしっかりできる俳優さんたちをグループの

頭に据えてるおかげで作品の質も上がっていると思います。

EXILEファミリーももともと身体能力高い集団なので、アクションシーンはかなり見ごたえある仕上がりになってます。

 

ではS.W.O.R.D.地区のヤンキーグループ1つ1つ紹介してみましょう。

好きの度合いによって紹介分のボリュームがかなり違いますがまあそこはしょうがない。

 

①山王連合会


HiGH&LOW Special Trailer ♯1 「山王連合会」

 

こちらがメインとなるヤンキーグループである山王連合会。

マイルドヤンキーの象徴のようなグループです。

良くも悪くもまっすぐです。

岩ちゃんが普段のかわいらしさを封印しています。

 

White Rascals


HiGH&LOW Special Trailer ♯2 「White Rascals」

 

 EXILEダンサーである黒木啓司さんが頭役を務める「White Rascals」。

理不尽な借金で風俗に飛ばされたみたいな不遇な女性を救うことを第一の使命としている集団です。

 

女を守ることを至上の使命としていますが、めっちゃポールダンスさせてるのは・・・

 

③鬼邪高校

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海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイブルー役でおなじみの山田裕貴くんが頭を務める鬼邪高校。全国の荒くれ者が集うヤンキーの巣窟のような高校のようです。

やくざにスカウトされるために5留するのが当たり前だとか・・・

入試はほぼなく「お金さえ払えば入れる」らしいです。

親はどのような気持ちで入学金や授業料を払っているのでしょうか。

 

もちろん授業はほとんど機能しておらず、日々喧嘩に明け暮れているようです。

 

④RUDE BOYS


HiGH&LOW Special Trailer ♯4 「RUDE BOYS」

 

 窪田正孝君が率いるRUDE BOYSは、ハイローで出てくるヤンキーグループの中でもピカイチの身体能力を誇るチームなのではないでしょうか。

 

動画を観てもらえればわかると思うんですが、建物から建物へ、まるでマリオのように軽やかに移動していく動きをしてますよね。

これ、パルクールっていう競技?を踏襲しているもので、RUDE BOYSの一員であるZENくんは昨年パルクールの北米大会でアジア人で初めて優勝した逸材なのです。

 

そんなすごい人出しちゃったら窪田くんがかすむのでは・・・と思いきや、窪田くんも相当運動神経良いようでかなりハードなアクションも軽々やってます。

映画版では役柄の関係で途中離脱してしまいましたが・・・

 

パルクールの動き自体はすごいんですが、格闘技との融合がまだイマイチな気がしました。

軽快に飛び回っているだけであまり攻撃が当たっている感じがせず・・・

パルクール自体どんどん普及してる気がするし、他作品でもパルクールと格闘技を混ぜたものはどんどん出てきそうですよね。

ブラッシュアップされるのを待ってます。

 

⑤達磨一家


HiGH&LOW Special Trailer ♯5 「達磨一家」

 

私が一番好きなヤンキーグループがこの「達磨一家」です。

 

まず頭の林遣都くんの頭キレちゃってる感がたまりませんね!

復讐を果たすためだけに生きているかのような狂気を内包している感じがよく出ててゾクゾクします。

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林遣都くんといえば中性的な美少年の役を演じてた印象があるんですが、いつの間にかこんな役どころを演じられるようになっていたのですね・・・( ;∀;)

 

そして林君の脇を固めるだるま・・・じゃなくて二人の側近。

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出た!!遠藤要さん!!!(向かって左側の銀髪の方)

 

もう、日本のヤンキー映画にはなくてはならない人材なのではないでしょうか。

こんなに目つきの悪い人はなかなか見つけられないですよね。(本当は良い人かもしれませんが)

 

そして達磨一家のその他のメンバーなのですが・・・

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まあよくぞここまでダルマっぽい人を集めたなあと感心してしまいました。

少女時代以来の感動かもしれません。(似たようなスタイルの人を集めてきたという点で)

 

ちなみに、ハイローのヤンキーグループにはそれぞれに専用のテーマソングがあてがわれているのですが、達磨一家のテーマソング「VOICE OF RED feat.GS」を歌っている人を見てみると・・・

DJ DARUMA from PKCZ」・・・!!徹底してるな・・・

(ちなみにPKCZというのはHIROさん、DJ MAKIDAI、VERVAL、DJ DARUMA で構成されているユニットです)

 

達磨一家は徹底してブランディングされてる感じがしますね。あらゆる面で統一感が半端ない。

ドラマ版ではかなりの強敵として描かれるのでその強敵感を演出するためっていうのもあるかもしれませんね。

映画版ではあまり出番無くて残念・・・でしたが、林遣都くんが車のボンネットに乗って登場したときはびっくりしましたね。

箔をつけるための演出とはいえ相当怖かったんではないだろうか・・・

 

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 ひー落ちる落ちる!

 

 

 

 てな感じでハイローには魅力的なキャラクターがたっくさんいます。

 映画版では時間の都合上一人一人あまり描くことができないので、その辺はドラマに託してるかんじですね。

ドラマでも、ストーリーを描いているのではなくキャラクターを描いているので、ストーリーはよく理解できなくてもキャラクターはしっかり頭に残っています。

 まさしくちびまる子ちゃん

 

あ、あと敵として描かれる、ELLY率いる「MIGHTY WARRIORS」も要チェックです。

このチーム、あんまり好きになれなかったんですが、そんなことよりなにより、早乙女太一のアクションが凄い!!!!!

 


HiGH&LOW Special Trailer ♯9 「MIGHTY WARRIORS」

 

 この予告にはあんまり出てこないんですが、映画本編でちょっとだけ見せる殺陣のクオリティが群を抜きすぎでした。さすがプロ・・・

早乙女太一の殺陣があまりにも凄すぎて周りとの差が激しいからちょっとしか出さなかったのかと邪推してしまうぐらいにすごかったです。

RED LAINではもっと見られたらいいなあ。

 

 結論:キャラクターを把握するためにドラマから観てみよう!

ハイローの魅力はキャラクター性と彼らのアクション能力の高さにあると思います。

その二つをじっくり堪能できるのは、映画ではなくドラマのほうですかね。

 

なので、ハイローが微塵でも気になるようでしたらまずはドラマ版から観てみましょう。

 

(映画の感想としては最悪でしょうか)

 

ていうか「HiGH&LOW THE MOVIE」はもう上映終わってますよね。

DVD/Blu-ray出るまでお預けか・・・(´・ω・`)

 

今は雨宮兄弟が主役の「HiGH&LOW THE RED RAIN」が始まってますね。

私はもちろん観に行きますが、上映終わりかけの頃にひっそりと観に行くか、発声上映会に行くか迷っています。