『# globe20th -SPECIAL COVER BEST-』を聴いてみた感想
2015年12月に発売され、あらゆるところで流れまくってるglobeのトリビュートアルバム『# globe20th -SPECIAL COVER BEST-』。
参加アーティストはHYDEさん、浜崎さん、TRF、倖田來未などglobeを聴いて育った世代が好きそうなアーティストをしっかり揃えつつ、梅田彩佳やAAAなどの若手もラインナップされてます。
01.DEPARTURES / HYDE
02.FACES PLACES / 木村カエラ
03.Joy to the love / AAA
04.Many Classic Moments / 浜崎あゆみ
05.Precious Memories / 坂本美雨
06.FACE / GReeeeN
07.Can't Stop Fallin' in Love / 當山みれい
08.FREEDOM / Da-iCE
09.Wanderin' Destiny / 倖田來未
10.Love again / 超特急
11.Anytime smokin' cigarette / hitomi
12.SWEET PAIN / lol -エルオーエル-
13.wanna Be A Dreammaker / TRF15.Feel Like dance (Piano Solo) / 小室哲哉
いやあ豪華です。globeの求心力の高さがなせるわざですね。
globe好きならとりあえず避けては通れないですよね。AppleMusicで落としてじっくり聴いてみたので、簡単に感想を書いてみたいと思います。
(「簡単に」と書きましたが結構長くなりました。6000字ぐらいあります。)
ちなみに、木村カエラの「FACES PLACES」とDa-iCEの「FREEDOM」はアルバム購入しないと聴けないらしく、AppleMusic、iTunes、AmazonのMP3全て落とせませんでした。
楽曲的には引きがあるとは思うものの、なぜ敢えてこの2アーティストをアルバム限定にしたのか疑問が残ります。アルバム買わせたいんだったら浜崎さんとか選んだ方が良かったんじゃないか…。
私はこれだけのためにアルバムを買おうとは思いませんでした。サンプル聴けるし、サンプル聴いただけで良いかなと思ったし…
なので、今回は木村カエラとDa-iCE版を抜いた13曲の感想です。
01.DEPARTURES / HYDE
HYDE / 「DEPARTURES(#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)」
(個人的に気に入った曲だけサンプルを貼り付けていきます。全曲貼ると重くなっちゃうので)
HYDEさんが!!DEPARTURESを!!HYDEさんが!!
最高です。もう何も言うことないです。HYDEさんの持ち曲のように完璧にハマっています。てかHYDEさんが女性ものの歌を歌うとめちゃくちゃセクシーですね!いつにも増して色気がハンパないです。
強いて言えば、HYDEさんの艶やかな声を引き立てるためにもうちょっとストリングス入れて音厚めにしてゴージャスなアレンジにしたらよかったかなと思うぐらい。
globeの最大のヒット曲であり、最も思い入れがあるであろうこの曲は、小室さん直々にHYDEさんに歌ってほしいと依頼したそうです。ピアノとしても参加してます。
全然畑違いに見えたラルクと小室さんがこんなかたちで共演するなんて…(泣)
03.Joy to the love / AAA
AAAのカバー。原曲と大きく変わったと思える点はほぼないですね。割りと忠実です。
原曲とほぼ変わらない=ボーカルの歌唱力の差が浮き彫りになっちゃうんですが、声の伸びや力強さ、インパクトはKEIKOの方がはるかに上なわけで正直劣化版と思ってしまいます…
ラップ部分は歌詞変えたんですがなんで変えたんだろ?必要性がわかりませんでした。
AAA云々じゃなく単純にアレンジが微妙だと思ってしまいました。
04.Many Classic Moments / 浜崎あゆみ
最近EDMづいてる浜崎さん(と勝手に思っている)。
去年、宇多田さんのトリビュートアルバム内で「 Movin' on without you」を大胆にEDMにアレンジして話題になってました。
浜崎あゆみ / Movin' on without you(4/8 Release DVD/BD「COUNTDOWN LIVE 2014-2015 A Cirque de Minuit」)
今回も、globeの中でもEDM色の強いこの曲を担当。浜崎さんが選んでるのかどうかは知りませんが最近の流れだとこの曲が合ってるのではないかと思います。
アレンジはほぼ原曲通りですが結構ゴリゴリしてる部分が増えて、良くも悪くも今どきのクラブ曲みたいに仕上がってます。(間奏なんかもろチャラいクラブでかかってそう)
原曲の、時代にとらわれない普遍性は削ぎ落とされてしまったような…
まあでも気分あげたい時にはアリだと思います。
05.Precious Memories / 坂本美雨
教授の娘さんである歌手坂本美雨が、globeのファーストアルバムであり、最強のアルバムである「globe」に収録されている名バラード「Precious Memories 」を担当しました。
正直坂本美雨は興味ないのでなんとも言えないですね…あんま声と曲が合ってないような…
なんだろこのマッチしてない感、こう、嵐の曲を聖歌隊風に歌ってしまっているような…
もちろん↑ほどおかしくはないんですが個人的にはあんまりでした。
凄く癒される声質だと思うので、もっとしっとりしたアレンジなら良かったんじゃないかなあと思います。
06.FACE / GReeeeN
GReeeeN / 「FACE (#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)」
これは酷すぎたので載せときます。
(GReeeeNのペラペラな歌詞や曲が昔から大嫌いだったので、嫌いフィルターが多大にかかった感想となります。)
参加アーティスト一覧観て、「GReeeeN」の名前見つけた瞬間にとんでもない不安を覚えました。
恐る恐る曲名を見てみると…
「FACE」…!!!!!!!!!!
どうなんだ、個人的に大好きで思い入れのあるFACEはどんな風に仕上がっているんだ、いやこのラインナップの中でなら意外と良いアレンジになってるかも…
と淡い期待を抱いた私がバカでした。
もう…ひどい…
まずイントロ。んん…声が重ねられてるな?KEIKOの声に被せてるな?本当にただかぶせただけでカラオケのガイドボーカルのようです。
しかもイントロの見せ場である美しいピアノソロを中途半端に簡略化しやがった。それはアレンジではなくて手抜きです!!!!!!
そこから微妙に音を外した耳障りな高音スキャットを乗り越えてAメロが始まると…
あれ?…KEIKOしか歌ってない…ああ途中からGReeeeNのボーカル入ってきた…ていうかなに、ガイドボーカルないと歌えないの?
サビなんかKEIKOの声メインになってるし…
ラップも酷いよ。下手くそすぎるよ。下手なくせに変にアレンジしてんじゃねえよ。リズム感って知ってますか?
最近うちの会社に入社してきたエンジニア兼ラッパーの人の方が数億倍上手いよ。なんならそのラッパーに触発されて最近ラップ始めたエンジニアの方が上手いよ。
後半はようやくGReeeeNのボーカルが表に出てきてますがガイドボーカル付きには変わりなく…
劣化とか、原曲レイプとかそれどころじゃない仕上がりになっておりました。
極めつけは、公式サイトに寄せられていたコメント。
公式サイトには今回参加したアーティスト全員のコメントが記載されているのですが、皆さん結構思い入れがあるようでしっかりしたそれなりの長さのコメントを残しています。
例えば、並々ならぬ怨念を感じるカバーを披露してくれた倖田來未(後述)。
HYDEさんは短いですが思いが伝わってくるようです。
(贔屓目かもですが楽曲の仕上がりがすばらしいので良いです。)
そしてGReeeeNはというと…
…(゚Д゚)ハァ?…
これ以上ないくらい月並みでテンプレ感満載のコメント…
もうちょっと考えろよ…むしろなんでこれでOK出たんだよ…
このコメント見た瞬間、彼らには全然思い入れが無いことがわかってむしろ安心しました。
思い入れが無いからこそあんな仕上がりになったんですのね。
07.Can't Stop Fallin' in Love / 當山みれい
當山みれいって全く知らなかったんですが、98年生まれの現役女子高生ダンサーソングライターらしいです。
98年生まれということは…Can't Stop Fallin' in Love がリリースされて爆発的に売れてた時代には生まれてない…!!
時代の流れが早すぎて恐ろしいです。
とても17歳の女子高生とは思えない歌唱力を持ってるし、声にも艶があります。
でも…やっぱKEIKOには敵わない。
割りと原曲どおりだったのでそう思いましたが、今回の場合はダンスチューンに仕上げてもよかったんじゃないかな?と思いました。
彼女のシングルとかを聴いてるとEDM系の曲と相性良さそうな感じがしたので、原曲通り、しっとりめに歌い上げるよりかはもっとアップテンポにして 當山みれい色に染めてしまったらいいのになーと思いました。
09.Wanderin' Destiny / 倖田來未
倖田來未 / 「Wanderin’ Destiny (#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)」
え…倖田來未がWanderin' Destinyか~なんか変にアレンジされてないといいな~と思ってたんですが、これは良い意味で大きく裏切られました。
まず1つ、パフォーマンスのインパクトが強すぎて忘れがちですが、倖田來未って歌唱力が抜群なんですよね。
その歌唱力に加え、恋愛体質なのかなんなのか、しっとり系の恋愛バラードでは恐ろしいほどの怨念を発揮していた彼女がWanderin' Destiny (結構ストーカーちっくな歌詞です。実際、ストーカーを題材にしたドラマの主題歌だったと思います。)を歌うとどうなるでしょう。実際聴いてみることをオススメします。
そんな彼女の怨念をサポートするようにアレンジもかんなり重厚で壮大です。重々しいです。今回のアルバムの中で1番暗いアレンジなんではないでしょうか。
先ほど紹介したコメントにも書かれてましたが、倖田來未自らこの曲をチョイスしたらしいです。確かに倖田來未が歌うならこの曲なのかな…と思わざるを得ない仕上がりでした。
10.Love again / 超特急
超特急…?韓国のアイドルかな…?(超新星)
ぐらいにまったく知らなかったんですが、ももクロの後輩…?なんですかね…?
Love againは原曲の完成度がとても高いと思ってるのでそこからどうアレンジするのかなと思ったら、やはりちょっとエレクトロ色を強めた感じになってました。
うーん原曲の方が浮遊感とワクワク感があって好きかな…
11.Anytime smokin' cigarette / hitomi
hitomi / 「Anytime smokin’ cigarette (#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)」
これは聴く前からハマると思ってました。
Anytime smokin' cigaretteはなんだろ、すれてて蓮っ葉だけど芯が強そう(でも弱い)な女性が描かれてると思うんですが、hitomi本人がそんな女性かどうかはどうでもよくて、彼女の歌声はそういう女性を描くのにぴったりな気がするんですよね。
原曲ほど緩急はなく、全体にサラッとした軽めのアレンジになってますがそれもすごくhitomiに合ってると思います。なんか、原曲が革ジャンに革パン、黒グラサンに赤リップつけたKEIKOがタバコ吸いながら歌ってる感じだとすると、hitomiはTシャツにデニムを着てラフに歌ってる感じです。
でもどっちもオープンカーには乗ってるイメージですね。
12.SWEET PAIN / lol -エルオーエル-
え、エルオーエルとは…?
調べてみたら2014年に結成されたavexの5人組のアーティストらしいです。
それぞれが何を担当してるのか公式サイト見てもよくわかんなかったんですが、ポストAAAみたいな感じなんでしょうか…?
曲はとてもavexらしい、ポップスとEDMをかけ合わせた仕上がりになってます。
ラップ部分がかなりアレンジされてましたが、今回のは結構カッコイイと思いました。
13.wanna Be A Dreammaker / TRF
TRF / 「wanna Be A Dreammaker(#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)」
お!TRFがwanna Be A Dreammakerをカバーするということは、さぞかしアゲアゲなダンスチューンが出てくるんだろうなあ(´∀`)ワクワク
と思いきや。倖田來未よりも良い方向で大きく裏切られました。
暗~いストリングスから始まり、スパっとYUKIさんのボーカルが入ってきます。
まるで別の曲のよう。
全編通して原曲には使われてないストリングスが目立ってますが、メロディがとても美しくて引き込まれます。
1回目のサビ後からギターリフが入って少しロック調に。
音が厚くなってダイナミックに変化していき、後半から終盤までの盛り上がりは圧巻の一言です。
とても壮大なミュージックをバックにYUKIさんが貫禄ある歌声を披露しています。
いや、カッコイイです。HYDEさんのDEPARTURESの次に好きです。
14.Sa Yo Na Ra / 梅田彩佳(NMB48)
歌い方がとても可愛いのでアイドル曲にしか聴こえません…これはこれでいいのかな…
Sa Yo Na Raはglobeの中でも比較的可愛い曲ですしね…
しかしTRFの後に来るのは可哀想かも…
15.Feel Like dance (Piano Solo) / 小室哲哉
最後は小室さんのしっとりピアノソロで締めです。
泣けてきます。
結論:概ね良かった
ザーッと書いてきましたが、個人的には、極上が2曲(HYDEさん、TRF)、良曲が2曲(倖田來未、hitomi)という感じです。
思わぬ良曲がザクザクあるし、(GReeeeN以外は)普通に楽しく聴けるし、良いアルバムなのではないかと思います。